【対北情報戦の内幕-3-】外務省の超極秘「日朝連絡ルート」を血眼でスパイする公安警察

連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/外務省編(下)

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2012年12月、第2次安倍政権が誕生したことを受けて、外務省高官は日朝協議がいよいよ本格的に動き始めることを予感するとともに、苦い記憶を振り返っていた。

その記憶とは、小泉訪朝に際して日本側と数十回以上にわたり交渉した北朝鮮の「ミスターX」こと柳敬(リュ・ギョン)国家安全保衛部副部長が、2011年2月頃に処刑されたことだ。

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この際、外務省は北朝鮮との「秘密ルート」が途切れることを恐れたが、その後、意外な形で復活することになった。

北朝鮮版「ジャパン・スクール」

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「キム・ジョンチョル」と名乗る50代男性が杉山晋輔アジア大洋州局長(当時)に“ある男”を紹介したのは、柳敬氏の処刑からしばらく経ってからのことだった。その男は、「国家安全保衛部副部長だった柳敬の後任」と名乗り、第2のミスターXとして、「日朝の秘密連絡を担当する」と申し出たのである。