パク氏は、朝鮮人民軍総参謀部の副参謀長などを歴任した大物である。ほかにも、金正恩氏の統治資金を管理する朝鮮労働党39号室や、「第2経済委員会」の高位級幹部が韓国に亡命したと伝えられている。
パク氏の亡命説には一部に「事実でない」との指摘もあるが、39号室の幹部については、わがデイリーNKジャパン編集部も独自に亡命情報を入手している。
このように幹部らの脱北が相次いでいるのは、些細なことで側近らを銃殺してしまう、金正恩氏の統治手法に恐怖心を抱いているからに他ならない。本来は対人用でない大口径の4連装高射銃で人間を文字通り「ミンチ」にし、それを他の幹部らに無理やり見せつける正恩氏のやり方は、ある意味で彼の狙い通り、恐怖心の醸成に成功しているわけだ。
しかし若年の彼は、人々の気持ちを過度に委縮させることがどのような結果につながるか、理解できていないようだ。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真北朝鮮のようにカネもモノも足りない環境下では、現場の責任者たちが様々な場面で機転をきかせ、あるいは英断を下すことなしに、社会は回って行かない。金正恩氏の恐怖政治が、どうにかこうにか回っている北朝鮮社会の歯車を、完全に狂わせてしまう可能性は低くないのだ。