「やあ、きみの故郷はどこだね?」
明るくなった金正日氏の表情を見て、ようやくほっとしたように「●×▼です」と答える女性に、さらに言葉を続けた。
「きみの顔つきは本当にきれいだな! どうして、5課(金正日総書記の親衛隊と喜び組を選抜する中央党幹部の部署)に、選ばれなかったのかな」
金正日氏は、ついさっき、郡の組織書記に対して冷酷に対処した自分の行動もすべて忘れたかのように、女性の手をずっと握り離さなかった。周囲の部下たちが見ているのも全く意識せずにだ。
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美女の頬をつねり…
歓迎に出た郡書記のヘア・スタイルが気にいらずにその場で解任。かと思えば、女性に向かって微笑む姿に、関係者たちは呆れて絶句した。しかし、その表情を顔に出すことはできなかった。