現地ではこの女性の他にも、被災したことによるトラウマに悩まされる人々が多く、病院のベッドはすべて埋まっているとS氏は伝える。
抗議事件が起きてから、現地の幹部は慌てて自宅を被災者に開放したり、救援物資を配り始めたという。会寧市をはじめ、今回の主要被災地域である咸鏡北道の茂山(ムサン)郡や両江道(リャンガンド)の延社(ヨンサ)郡は、中国と隣接していることから、脱北者が多く、政府に対する忠誠度が低い地域だ。さしもの金正恩体制も、被災者の怒りの強さをあらためて思い知ると共に、この地域の民心の現状を知り寒気を覚えたのではないだろうか。
(参考記事:死者数百人の事故が多発する北朝鮮の「阿鼻叫喚列車」)