- キム・ヒョク氏が中国から強制退去させられたのは16歳のときだった。まず、国家安全保衛部による取調を受けた後、穏城(咸鏡北道)の人民保安省に引き渡された。取調にあたった警察官は同氏の膝を棒で叩いた。その際、苦痛が大きくなるように別の棒を膝の裏側に当てていた。上記の鳩拷問にかけられた後、キム氏は取調所に長期間抑留された。17歳になれば北朝鮮法では成人として裁判できるからである。
- ある証人は2011年2月、中国から出国した。国家安全保衛部による12日間の殴打と取調の後、人民保安省に引き渡された。人民保安省取調拘置所での2ヶ月の抑留中、この証人および他の収容者は特に取調中にさまざまな物で殴打された。取調中に気絶した者は気絶を装ったとして罵倒され、最初からやり直しとなった。寛大な取扱を求めて賄賂を支払ったが、それでも一輪車の取っ手、銃身、木で殴られた。被拘禁者たちは、日中は強制労働をさせられた。2人の男性が作業ノルマを達しなかったとして殴られて死亡した。女性1人が餓死させられた。収容者たちは房内ではあぐらで両手を膝においてじっとしていなければならず、動くと逆立ちやスクワットをさせられ、あるいは殴打された。看守の中には立場を利用して近くの「尋問場」に女性収容者を連れだし、強姦する者もいた。