北朝鮮の軍人たちは国も、社会も、人も社会主義を捨て、資本主義に走るのを現場で目撃した。そして、徐々に「世襲」「個人崇拝」といった北朝鮮の国のあり方に疑問を持つようになった。
そんな頃、北朝鮮ではゴルバチョフ批判が始まる。レーニンの業績を台無しにしているというのだ。
留学生たちは荷物も持たず、学費に当てるために商売をして稼いだ金もすべてソ連に置いたまま帰国を余儀なくされ、「ソ連で何をしていたのか」と厳しい追求を受けた。そして、環境の悪い地方の部隊や軍事大学に追いやられ、彼らの間で不満が高まった。