自分の兄まで「公開処刑」…正恩氏が「その瞬間」を見たかった理由

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事件に関与したと見られる人物が、事前に空港に監視カメラの作動を問い合わせていたという情報もある。仮に作動していることを事前に知っており、殺害の瞬間が捕らえられたとしても、十分に逃げ切る自信があったと見られる。そして、世界にニュースが配信されることを前提にして金正男氏を暗殺したのだ。まさに、見せしめ、公開処刑と言っても過言ではない。

朝鮮労働党の幹部や、朝鮮人民軍のトップでさえ、見せしめとして残虐な方法で処刑してきた金正恩氏が考えそうなことである。さらに、それに加えて金正恩氏の異母兄に対する積もり積もった歪んだ憎悪が感じ取れる。

金正恩氏は、後継者として公式登場した直後から建国の父であり祖父の金日成主席を模倣してきた。北朝鮮で依然として人気の高い祖父の威光にあやかろうとした。ここで興味深いエピソードがある。金正恩氏が目指すべき人物である金日成氏がもっとも可愛がったのは実は初孫である金正男氏だった。金日成氏は金正男氏を目に入れても痛くないほど可愛がった。