取り締まりを免れた密造酒は、市場で販売される。アルコール度数は30度から60度という非常にきつい酒だが、水で割って度数を20〜25度まで下げて安く売ったりもする。朝鮮半島では元々、このようなきつい酒が好まれてきた。
国営工場が製造している平壌焼酎は25度、ブルーベリーの一種「トゥルチュク」(和名クロマメノキ)で作ったトゥルチュク酒は40度。一方、韓国で作られている真露(ジンロ)は、1924年の発売当初35度だったが、今では16.9度まで下がった。韓国では、生活習慣の変化で度数が徐々に下がっていったが、北朝鮮は昔のままというわけだ。ちなみに、国営工場で製造した酒はほとんど市場に出回らない。
飲酒運転で権力を見せつける警察や検事
きつい酒が好まれるだけあって飲酒運転による事故も多いが、さほど問題になることはない。それもそのはず、車を運転できるのは一部の幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)に限られているからだ。