そしてもうひとつ、文政権が北朝鮮との対話を掲げて誕生したのに加え、平昌冬季五輪を控えているという事情もある。2月9日から始まる平昌五輪は、国際社会が北朝鮮に対する圧力を強める中、韓国が周囲にさほど気兼ねせず北朝鮮と対話できる絶好のチャンスだからだ。実際、韓国政府はそうしたラブコールを繰り返し北朝鮮に送ってきた。
そして1月1日、金正恩氏は今後1年の施政方針演説に当たる「新年の辞」の中で、南北関係の改善に前向きと読めるメッセージを発した。同氏は、北朝鮮建国70周年の今年、韓国で冬季五輪が開催されることは「北と南ともに意義のある年」とし、平昌五輪に代表団を派遣する用意があると表明。また、「これ以上情勢を激化させてはらない。軍事的緊張の緩和と平和的環境づくりのため共同で努力すべき」とアピールしたのだ。
こうした文言だけを素直に読めば、朝鮮半島情勢の緊張も近いようにも思える。