特に高麗航空タクシー事業所は、平壌に複数あるタクシー会社の中で唯一、24時間営業を許可されているという。そのおかげで同社とKKGは、タクシー事業により日本円で毎日200万円ほども利益を上げているとされる。1年間で7億円以上にもなるビッグビジネスである。
ちなみに李雪主氏の一族がタクシー利権を握る前まで、この業界で幅を利かせていたのは張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長の姪の夫であるチェ・ウンチョル氏だった。同氏は張氏が2013年に粛清・処刑された際に連座させられ、処刑されてしまったという。
(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認)
まさに、誰を味方に付けるかで運命が180度変わってしまう、北朝鮮権力中枢の「一寸先は闇」を象徴するエピソードと言える。