当然、帰国した人々への監視は強化されるだろうが、いかんせん数が多すぎる。国内で、これまでにはなかった情報が出回るのは避けられないだろう。
そして帰国者の中には、そうした閉塞感に耐えられず、トラブルを起こしたり脱北を試したりする人も出てくるかもしれない。米国との対立激化を受けて国内の団結をはからねばならないときに、そうした動きは思いもかけぬ波紋を呼ぶ可能性もある。
国際社会の対北制裁の目的は、一義的には経済的に締め上げて核兵器開発を困難にするというものだ。しかしそれとはまったく違うところで、意外な効果を生む可能性もある。
(参考記事:亡命した北朝鮮外交官、「ドラゴンボール」ファンの次男を待っていた「地獄」)