李氏が、「拉致の過程についてよく知っている」という北朝鮮国内の関係者から聞いた話によると、イムさんは今年4月、中国遼寧省瀋陽の七宝山ホテルに入った。
このホテルは、表向き北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)系列の貿易会社が運営していることになっているが、実際に運営しているのは海外反探局、つまりスパイ担当部署だ。単に外貨稼ぎをするためだけではなく、工作員の秘密会議、党生活総和(総括)、思想教育目的の特別講演会などが行われる拠点である。また、かつてはハッキング部隊の基地が置かれていたとの情報もある。つまり、非公然組織のアジトというわけだ。
彼らは、目的のためには手段を選ばない。(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…)