韓流が拡散する背景には、北朝鮮の庶民たちが公営メディアが流すプロパガンダ文化に辟易していることがある。プロパガンダどころか、金正恩氏が激怒する場面の動画がテレビで流れることもある。とても、庶民が楽しめるようなコンテンツではない。
(参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「処刑前」の現地指導)最近では、韓流コンテンツを見て韓国文化に憧れ、それが動機となって脱北する若い女性も少なくない。2015年に脱北して韓国に定着した北朝鮮出身の女性は筆者に、「北朝鮮で冬のソナタをこっそり見た。あんなロマンティックな恋愛をしてみたいと思ったのが北朝鮮を離れた最大の動機です」と語った。
韓流や海外文化によって体制への忠誠心が骨抜きにされる──金正恩氏はそんな危機感を抱いているのだろう。