これに対して脱北者から異論が相次いだ。韓国で北朝鮮の伝統芸能を紹介する活動を行っている平壌民族芸術団の代表で、2001年に脱北したチョン・パリョン代表は朝鮮日報の取材に「北朝鮮で金日成氏の写真や絵を少しでも破損させたら即決で処刑の対象となる」として、金日成仮面説を否定した。また、コリア先進化連帯のキム・グァンイン所長も、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に、特定人物を念頭に置いて作った仮面ではないだろうと述べた。
実際、北朝鮮において金氏一家の肖像画は命より大切なものとされ、事故や災害の際に命を投げ出して守ったという「美談」が紹介されることもある。それほど大切なものを切り取って仮面にするとは考えられないということだ。
(参考記事:「将軍様の肖像画」と一緒に高校生を溺死させる北朝鮮の思想教育)