北朝鮮で放火テロ、国民の怒りが爆発か

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まず、36年ぶりの党大会の初日に合わせて行うことで明確に政府への不満を表しているということ。次に、平壌から遠く離れた地方都市に漂う不穏な空気感である。

クーデター事件

本紙でも度々言及している通り、北朝鮮では党大会を控え、国家最大の祝日である4月15日の「太陽節(故金日成主席の誕生日)」の頃から「特別警戒期間」を設定し、全土に厳戒態勢を敷いて不祥事に備えていた。

よりによって、その緊張が最高潮に達し、休日にまで指定して国民に祝うことを強制した党大会の初日に、致命的な事件が起きたのである。北朝鮮で最大の罪といえば、唯一独裁体制への反逆、すなわち国家への反逆であることは言うまでもないが、「不純分子」はこの絶対権威に正面から挑戦したかたちになる。

また、事件が起きた咸鏡北道という土地にも注目したい。李氏朝鮮時代、幽閉地でもあったこの地域は権力への対抗意識の強い「むほん(謀反)気」の多い土地柄として知られている。中国と近く、日本の植民地時代には抗日運動も盛んであった。

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このため、抗日運動の経歴が重視される北朝鮮において中央に進出し幹部になった者も多く、北朝鮮建国後には「派閥化」が警戒され続けてきた歴史がある。1990年代にはこの地を本拠地とする軍団によるクーデター事件もあったほどだ。

(参考記事:北朝鮮でも「クーデター未遂」が起きていた

昨今では、2009年の10月10日に道庁所在地の清津(チョンジン)市内で、朝鮮労働党と党幹部を非難する自筆のビラ数十枚がまかれ、道保衛部が清津市の全ての住民を相手に筆跡検査を行ったこともある。10月10日は朝鮮労働党創建記念日だ。

また、今年の4月末には、同じく清津市で銀行強盗事件が発生している。

「虐殺」に恨み

放火事件の背景には、党に対する不満の高まりがある。