5月26日は、金正恩党委員長の外交戦術が「惨敗した日」として歴史に刻み込まれるだろう。トランプ米大統領が24日に米朝首脳会談の中止を通告したことを受けて、金正恩氏は26日、電撃的に韓国の文在寅大統領と2回目の首脳会談を行った。朝鮮中央通信によると、金正恩氏は「6月12日に予定されている朝米首脳会談のために多くの努力を傾けてきた文在寅大統領の労苦に謝意を表して歴史的な朝米首脳会談に対する確固たる意志を披れきした」という。
「確固たる意志」とは、なんとしてでも米朝首脳会談を行いたいという、いわばトランプ氏に対するラブコールだ。北朝鮮の最高指導者がここまで下手に出るのは極めて異例である。今年1月からの対話姿勢を前面に出した金正恩外交は、半年もたたずに敗北を喫したといっていい。ただし、この敗北は自滅でもある。