北朝鮮で「捨て子」が深刻化…背景に「避妊・中絶」禁止

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子どもを欲しがっていた女性は、市場で買った中国製の粉ミルクを飲ませてたっぷり愛情を注いでいた。しかし、この女性は毎日リアカーを引いて市場に行き、トウモロコシを売ってその日暮らしをするような極貧状態だった。結局、粉ミルクが買えなくなったのだろうか、半年後に赤ん坊を栄養失調で死なせてしまったという。

北朝鮮当局は、国内最大の産婦人科医院である平壌産院を引き合いに出して、出産と育児を含む医療は無料だと宣伝している。しかし、無償医療システムは1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころに崩壊してしまい、国営の人民病院を利用するには多額のワイロが必要となった。また、医薬品も市場で購入して持参しなければならない。子供の教育にも多額の費用がかかることは言うまでもない。
(参考記事:「麻酔なしの手術」に「中絶手術で懲役」…混迷深める北朝鮮の医療

当局は、崩壊した福祉を復旧させないまま、女性たちに出産を強いて、苦しめている。