うちの隣に「お兄さん」と呼ぶべきか「お姉さん」と呼ぶべきかわからない人が住んでいた。その人は男性と結婚して子どもを2人産んでいて、セクシーで街で一番の巨乳の持ち主だったが、みんなその人のことを男性だと思っていた。
北朝鮮では女性は自転車に乗るものでないとされているが、その人は乗っていた。保安員もその人が男性か女性か見分けがつかないからだ。
その人は誰にでも親切だったので私も好きだった。夫を亡くして長年一人で暮らしていた母の友人がその人と恋に落ちたので、私もその人と仲良しになった。
彼女は本来男性の役割とされている家の中の仕事でも全部こなした。夫との仲もよく、子どもたちにとっても良い母親で一家の稼ぎ頭だった。