ただ、この証言が事実であるかどうかは、客観的には証明されていない。デイリーNKジャパンでも裏付け情報の収集に動いたことがあるが、古い時代の話でもあり調査は困難を極めた。
たくみに証拠隠滅が図られていれば、襲撃された漁船は海難事故として処理されたはずであり、そもそも拉致の疑いすらもたれなかった可能性が高い。
はたして、この情報を日本はどうとらえるべきか。チェ氏は、現在も北朝鮮国内の元同僚と極秘に連絡を取り合っており、作戦が実行された正確な時期や場所などについての情報も入手するつもりだという。その情報と過去の日本で起きた海難事故の情報が一致すれば、北朝鮮による海上拉致の実態が明るみに出る可能性もある。
(参考記事:「喜び組」を暴露され激怒 「身内殺し」に手を染めた北朝鮮の独裁者)