中国に木材輸出をしていたが、誤ってスローガンの書かれた木を伐採したというのがその理由だ。それも、全国各地から外貨稼ぎ機関の社長500人を、咸鏡北道の延社(ヨンサ)に集結させた上での処刑だった。
激しく損傷した遺体を見せつけられた人の中には、心臓発作を起こし病院に運ばれたり、数日間家に引きこもったりしたという。ある人は「こんな殺伐とした雰囲気では、貿易などできない、下手をすると私も死ぬかもしれない」と述べ、辞表を提出したという。
北朝鮮の人々の間で「連射事件」と呼ばれているこの処刑について、その事情をよく知る元幹部の脱北者は次のように語った。
「北朝鮮では銃殺が頻繁に行われるため、人びとは感覚が鈍ってしまっている。そのため、恐怖を与えるためにわざと残酷な方法を使った。貿易に関連して違法行為を行えば、無慈悲に処刑するというみせしめだ」
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2010年12月末、平壌郊外で4人の公開処刑が行われた。いずれも変圧器の潤滑油、電線、トウモロコシの窃盗という、些細な犯罪によるものだった。
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金正恩氏が後継者として登場してからもその状況は変わらなかった。