北朝鮮の医師は、かつてはモラルの高さで知られていた。医療機器も医薬品が慢性的に不足する中、彼らの技量と職業的使命感だけが庶民らの命の支えだった。しかしそれも、あまりの境遇の苦しさの中で変質してしまっているのだろうか。手術をするのに麻酔薬すら使えないほどの苛烈な状況の中では、彼らだけに「まともであれ」と求めるのも無理なのかもしれない。
(参考記事:【体験談】仮病の腹痛を麻酔なしで切開手術…北朝鮮の医療施設)(参考記事:北朝鮮の医大生、学費と生活費を稼ぐため「中絶手術」のバイト)
また、海外にまで出かけて人々の命と健康を玩具にするようなことをしていては、たとえ金正恩体制が倒れて民主化する日が来ようとも、北朝鮮の将来に禍根を残す。実際この件に限らず、アフリカでも北朝鮮の悪評は増してきている。
(参考記事:ペット盗難多発で「北朝鮮機関」に疑惑の目…アフリカ・ナミビア)