ちなみに正哲氏に同行していた美女――モランボン楽団のギタリスト、カン・ピョンヒさんと思われる――は音楽仲間で、恋人ではなかったという。また、楽器店でのショッピング中に即興で披露したギターの腕は、店員や通りすがりの人々が驚くほどのレベルだったという。
それにしても、皮肉なものである。正恩氏が北朝鮮においてどのような人物であるかは語るまでもないが、彼らの妹である金与正(キム・ヨジョン)氏も党中央委員会・宣伝扇動部副部長の要職にある。宣伝扇動部は国民の思想統制を担当し、外国文化の影響を排除する使命を担っている。
韓流ドラマなどの取り締まりを現場で実行するのは秘密警察だが、その上位に、正哲氏の妹がいると言うこともできるのだ。
(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…)しかし果たして、正恩氏を含め彼ら兄妹は本気でそのような仕事が重要であると思っているのだろうか。バカバカしいと感じたことはないのだろうか。