それにもかかわらず、今さらながらこの話が目に入ったのは、少し前に北朝鮮の人権協会が、同国における女性への性暴力実態について証言した脱北者たちを口汚く罵る論評を発表していたからだ。
(参考記事:「警察官たちは性犯罪の捜査を楽しんでいる」北朝鮮の救われぬ実態)北朝鮮が海外に向けて発信した「タテマエ論」を真面目に取り合うことほど無駄なことはないのだが、だが今このタイミングにおいては、矛盾を指摘しておく意味は小さくないと思う。何故なら金正恩党委員長は米国や韓国との対話を通じ、「正常国家」への脱皮を目指しているように見えるからだ。
しかし実際のところ、北朝鮮社会の矛盾は、金正恩時代に入っていっそう激化しているように見える。