小学校の時から舞踊で頭角を現し、成人してからは北朝鮮の代表的な革命歌劇「ピバダ」(血の海)や「花を売る乙女」でヒロインを演じた。
そして、パク・エラは運命的な出会いをする。金日成総合大学を卒業し、党中央委員会の宣伝扇動部に配置され、芸術事業の指導に当たってい後の最高指導者、金正日に見初められたのだ。ステージ上で舞う彼女を見た金正日は側近に「心臓が止まるかと思った」と言ったと伝えられている。
その後、金正日は夜な夜なパク・エラを呼び出しては食事を共にし、関係を築いていったという。やがて彼女は、金正日の特別な配慮で入党が認められた。「成分が悪い」だけの人々には考えられないほどの大出世だった。
その後も金正日は個別指導と称して、パク・エラを自らの執務室や別荘に呼び出したりしていた。慈江道(チャガンド)の江界(カンゲ)や淵豊(ヨンプン)にある招待所にも2人で入り浸っていた。