それに、北朝鮮で凄惨な人権侵害を受け、命からがら逃げ延びてきた生き証人はたくさんいる。たとえば、国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が昨年10月31日に発表した報告書「理由もなく夜に涙が出る 北朝鮮での性暴力の実情」は、世界的に大きな反響を呼んだ。
そこには、被害女性らの血のにじむような証言が数多く収められており、読むほどに「そこまで酷いのか」と愕然とさせられる。
(参考記事:被害女性たちの血のにじむ証言…報告書「理由もなく涙が出る」を読む)このような勇気ある告発が次から次へと出てくる状況の中で、米国と北朝鮮の「ビッグディール」などというものが成就し得ると、トランプ氏やボルトン氏は本気で考えているのか。
彼らが、それほど愚かとはとても思えない。ということはつまり、金正恩が「ビッグディール」の誘いを「ワナ」と考えていても、不思議ではないのではないか。
