北朝鮮で女性による犯罪が急増している。先月15日、北朝鮮北部の清津市で、1日に3件も殺人事件が発生したが、北朝鮮捜査当局は、「女性犯罪組織」が緻密な計画に基づいて犯行に及んだと見ているという。背後に見え隠れする「女性犯罪組織」は、麻薬、宿泊、運送、貿易、港湾業務など「ウラ事情」に精通しており、組織拡大と利益のためには殺人も厭わないからだ。
時折、新証言が出てくる「喜び組」の存在が象徴するように、北朝鮮社会には伝統的に男尊女卑が根強く残っている。それにも関わらず女性犯罪が急増している背景には、今や「北朝鮮経済の主役は女性」という事情があった。
「オンナ詐欺師」による毒殺事件
90年代後半から北朝鮮を襲った大飢饉は、社会主義経済を粉砕したが、その後、実質的な「市場主義経済」に移行するなか、女性達は家族を養うために、商売をはじめた。なかには、生活を支えるために、やむをえず「売春」に走る女性がいることはデイリーNKが入手した映像から窺える。