ベトナム戦争に参戦した北朝鮮の将兵たちが、その活躍ほどには本国で歓迎されなかったにしても、米軍と戦った空軍部隊の活躍は、対外的には北朝鮮の軍事力を宣伝する効果を持った。自由主義陣営ではそれほど認知されなかったかもしれないが、社会主義国家や中東のアラブ諸国など第三世界の一部エリートの間では、認知されていたようである。
そして、北朝鮮はベトナムで戦った将兵たちの名声を、その後の外交・軍事戦略で余すところなく活用するのである。(ベトナム編 おわり)※次回は中東編です。
(宮本 悟 聖学院大学教授)
【連載:朝鮮人民軍 海外戦記】
中東編(1)アラブ諸国に加勢しイスラエルと戦っていた北朝鮮空軍