つまり、文京徳の映像を削除するために、映り込んでいた金慶喜氏も同時に削除しなければならなかったという。文京徳は、張成沢派の一人であり粛清の余波はまだ続いていると見るべきだろう。
一方、金慶喜氏は映像でも流れたことから処刑はされていないようだ。やはり「自ら、表舞台から退くことを望んだ」のであり、政治には関わらない立場にいると思われる。
朝鮮労働党の書記や平壌市党委員責任書記も勤めた文京徳が映像から削除されたとすると、単なる粛清ではなく「処刑」された可能性も出てくる。北朝鮮では粛清されたり、処刑された場合、その存在の痕跡を一切削除するという極めて旧社会主義的な方法を取るからだ。