国家安全保衛部――北朝鮮「秘密警察」の知られざる内幕

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ここまですることで、容疑者は最後まで情報員を疑わず、情報員の身の安全が保障されることになる。

そもそも保衛部はどのような優先順位で、いかなる事案を取り扱っているのかについても、S氏は詳細に語ってくれた。解決の際の評価が高い順に整理してもらった。

△1:陰謀-北朝鮮首脳部を狙ったテロ行為。解決の際には保衛部員はもちろん情報源まで「英雄称号」を受ける。
△2:宗教-キリスト教、カトリックなどの布教行為。
△3:スパイ-韓国などの敵対国家から派遣された者や、その手下が行う諜報活動。
△4:暴動および騒擾-国家転覆や混乱を狙った行為。
△5:民間テロ-個人的な怨恨で行われる公共施設の破壊行為。

相次ぐ殉職者

これ以外の犯罪行為――例えば流言飛語を流布した者や、海外の映画やドラマDVDの販売など資本主義的行為をはたらいた者を逮捕しても、大きな褒賞や表彰にあずかることはできないという。