国家安全保衛部――北朝鮮「秘密警察」の知られざる内幕

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北朝鮮の三代にわたる独裁政権を陰に陽に支えてきた国家安全保衛部は、あまりにも大きく、絶対的な存在として考えられがちだ。

しかしこれまで見てきたように、現場で働く情報員にも満足な報酬を支払えない苦しい資金繰りが続いている点は見逃せない。

また、保衛部が最優先で捜査する陰謀や宗教がらみの「重大事件」は、容疑者たちもカネ目当てではなく、理念や理想のために命がけで動いていることも多いため、現場では保衛部員や情報員にも危険が及ぶ。

北京での殺人

S氏や先の取材協力者によると、捜査の課程で負傷したり殉職する保衛部員や情報員も少なくないという。