北朝鮮の公式ウェブサイトのひとつである「今日の朝鮮」は4月10日、金正恩氏が「ハローキティ」や「くまのプーさん」などの海外キャラクターに愛着があるとする内容の記事を掲載した。
同サイトは、「“キティ靴下”と“プー靴下”」というタイトルの記事で、金正恩氏が、2012年7月に平壌靴下工場を現地視察した際のエピソードを紹介した。
「プーについて説明しなさい」
正恩氏は、新製品をサンプル室を見回りながら、「美しい柄の靴下」に大いに満足しながら、現場の技術者と次のような会話を交わした。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真「キティ」とは、日本のサンリオ社がつくるキャラクター「ハローキティ」のことであり、「プー」とはディズニーキャラクターの「くまのプーさん」のことだ。
正恩氏:「キティ靴下」があるなぁ。「プー靴下」もあるのか?
技術者:「プー靴下」もあります。
正恩氏:「プー」が何なのか、よくわからない人もいるから説明してみなさい。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真技術者:「プー」というのは、世界的に広く知られている漫画映画の主人公である小熊のぬいぐるみです。
正恩氏:ここの技術者は、若いから「プー」のことをよく知っている。子供の靴下には、子供たちが好きな漫画の絵をプリントしなければなりません。
北朝鮮で人気を呼ぶ「海外キャラクター」
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真記事は、最後に次のような一文でしめくくった。
「趣味、年齢に応じた心理的特性を知り尽くして、時代に劣らないように絶えず知識を更新して、実力を固めていかなければならない」
北朝鮮で、ディズニーキャラクターは以前から人気があるが、「ハローキティ」も人気を呼んでいるようだ。しかし、この二つがアメリカや日本のキャラクターであることについて、一切触れられていない。
また、過去には日本を代表する人気アニメの「あのキャラクター」まで、金正恩氏と一緒に写真に収まっていた。
昨年10月、労働新聞に掲載されたこの写真は、金正恩氏が児童施設を現地視察した時の様子だ。正恩氏の右横に「ドラえもん」らしきモノが見える。
拡大すると、妙な体勢で組み敷かれたぬいぐるみがウィンクしており、これは「ドラえもん」以外の何物でもないだろう。
しかし、「ドラえもん」だけでなく、ディズニー社やサンリオ社が、北朝鮮と著作権に関する契約を交わしたという情報もない。そればかりか、2月には朝鮮中央テレビが、「キティちゃん」グッズを「北朝鮮のデザイナーが考案した」と伝えながらオリジナル商品であることをアピールしていた。
北朝鮮では、海外文化を「退廃的」だとして、取り締まりの対象にするケースもある。しかし、金正恩氏自身が海外キャラクターを熟知していることが明かされ、さらに一緒に撮影された写真を公式メディアが堂々と伝えるーーまさに、ブラックジョークのお手本のようなエピソードだ。