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北朝鮮「核の暴走」の裏に拷問・強姦・公開処刑

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マスコミは連日、北朝鮮の核開発問題を大きく扱っているが、人権問題と関連付けた報道はほとんど見かけない。大手紙では日本経済新聞の山口真典氏が、「唐突にみえる強硬策に金正恩第1書記を駆り立てた背景」として、「米国が積極化した『人権問題の追及』という圧力が、真綿で首を絞めるように正恩氏を脅かしている」と指摘しているぐらいだ。

対北包囲網には抜け穴がある

北朝鮮が国連制裁をものともせずに核開発に突き進む背景には、明らかに人権問題がある。これは、筆者や山口氏が勝手に言っているのではない。北朝鮮自身が、声明の中で言明しているのだ。
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それなのに大手メディアが人権問題を素通りするのは多分、北朝鮮の人権侵害の実態が、想像を絶するほど凄惨であるという事情のためだ。

(参考記事:赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた…北朝鮮「人権侵害」の実態

日本の大手メディアの記者たちの情報源は、ほとんどが日韓の政府当局者だ。

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権力の側にある当局者たちは元来、あまり人権を語ることを好まない。その上、北朝鮮の凄惨な人権侵害を直視してしまえば、「被害者を救わなくて良いのか?」「そんな酷いことをしている独裁者と対話できるのか?」という問いにさらされる。

現実の問題として、当局者たちに北朝鮮の人権侵害の被害者たちを救う考えはなく、金正恩氏を対話の場に引っ張り出す以外に、核・ミサイル問題を抑え込むアイデアも持っていない。だから、敢えて人権問題に言及することを避けているのだ。

しかし、今さらそんなことをしても無駄だろう。そもそも北朝鮮の人権侵害を国連の場で暴いたのは、日本や韓国、欧米なのだ。

(参考文献:北朝鮮における人権に関する国連調査委員会の報告
(参考文献:国連報告書「政治犯収容所などでの拷問・強姦・公開処刑」

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そして北朝鮮は、人権問題での包囲網に追い詰められ、自暴自棄になっているのである。それなのに、今になって人権問題を直視しないとは、戦略の不在を露呈しているとしか言いようがない。マスコミは、こうした点を指摘しなくてもよいのか。

そしてもうひとつ、中国との関係も問題の迷走に拍車をかけている。

中国は北朝鮮の核開発に明確に反対しているが、人権問題では「同じ穴のムジナ」だ。

(参考記事:それでも揺るがぬ中国と北朝鮮の「拷問」同盟

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北朝鮮が最も嫌う圧力は人権問題の追及なのに、中国はそこに決して加わらない。中国が本気で加わらなければ、対北圧力は本物にならない。

人権問題を直視しない当局者やメディアの姿勢も含め、国際社会の対北包囲網には、まだまだ抜け穴がたくさんあるのだ。