ただ、食糧の生産現場である農村で、トウモロコシたった1キロにどうしてそれほど困っているのか……と思っていたら、その原因の一端がようやくわかった。
国が決めた生産計画を達成できなかった農場員(農民)たちは、超高利の「借金地獄」に陥り、それが雪だるま式に膨らむ「魔のスパイラル」に喘いでいたのだ。
ちなみに、借金と言ってもおカネを借りるわけではない。農民を相手に穀物を貸し付ける業者がいて、例えばトウモロコシ100キロを借りた場合、ジャガイモなら金利分だけで2トンを返さなければならないという、独特の取引が行われているのだ。
(参考記事:利息200%の借金地獄で生きる北朝鮮の農民たち)これなら、農民がたった1キロのトウモロコシに窮している事情もわかる。