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金正恩氏に「死刑宣告」した米韓首脳会談

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韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と米国のオバマ大統領は16日(日本時間17日未明)、ワシントンで会談し、「北朝鮮に関する米韓共同声明」を採択した。両国首脳が北朝鮮問題に限定した共同声明を発表するのは初めてのことだ。

声明の大部分は核・弾道ミサイル問題に割かれている。内容をざっくり説明すると、国際社会が北朝鮮を核保有国として認めることはないし、開発を継続するなら代償を払わせる。しかし開発を完全に放棄するならば、より良い未来を約束しよう――というものだ。

もちろん、北朝鮮がこれに「では、そのようにお願いします」と素直に応じることは絶対にない。

というより、金正恩氏の関心はむしろ、米韓首脳が共同声明に「(北朝鮮の)人権侵害に対する責任を糾明」すると明記した事実に、釘付けになっているのではないか。

衛星が捉えた虐殺の「証拠」

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これは正恩氏にとって、死刑宣告にも等しいものだ。

北朝鮮の人権状況の酷さについて、ここで長々と説明する必要はないだろう。

いまだ8〜12万人が収容されている「政治犯収容所」。90年代中頃から300万人の大量餓死を生み出した「苦難の行軍」。権力に抵抗する数百人もの人々を戦車で轢殺した残酷な軍隊。

もっとも、こうした出来事は正恩氏の祖父・故金日成主席と父・故金正日総書記の統治下で起きたものであり、弱冠33歳の正恩氏には、直接の責任はなかった。これらは祖父と父から背負わされた、「負の遺産」とも言えるものだった。

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しかし、彼が最高指導者の座を継いでからわずか3年余りの間に、状況は完全に変わった。正恩氏はこの間、父親の実に7倍ものペースで側近を処刑している。

その場面は、すでに衛星画像によって捉えられており、言い逃れすることなど到底できない。

「人道に対する罪」を追及

また、たとえ故意ではなくとも、正恩氏が犯した失政により、膨大な餓死者が発生したこともある。「人肉事件」すら多発した凄惨な事態の責任は、明らかに正恩氏にあるのだ。

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そしてもちろん、北朝鮮による人権侵害には日本人拉致問題も含まれる。

日米韓など主要国は最近、北朝鮮の人権問題に関する新たな国連決議案の草案づくりを始めているという。

国連は昨年12月18日の総会でも、日本や欧州連合(EU)など約60カ国が共同提出した北朝鮮人権決議案を賛成多数で可決。同22日には国連安全保障理事会でも、北朝鮮の人権状況を正式な案件として扱うことを賛成多数で採択した。

ロシアや中国などの反対もあり、国連での動きはなかなか進展しないが、北朝鮮の人権侵害を追及する人々は究極的には、正恩氏を「人道に対する罪」で裁こうとするだろう。

そこから逃れるために、正恩氏に出来ることはほとんど残っていない。

それだけに、金正恩体制は今後、これまでにも増して強い反発に出てくることが予想される。