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「カタくて食べられない!」金正日氏の誕生日に配られたお菓子に北朝鮮の子ども達もNG 

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北朝鮮が2月16日の故金正日氏の誕生日(光明星節)を迎えて全国の子どもたちにお菓子を特別配給した。ところが硬くてマズいと評判は散々のようだ。

マズいお菓子でお祝いの雰囲気が台無し……

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は次のように伝えてきた。

「酒や油など特別配給はここ数年途絶えていたが、子どもたちのためのお菓子の配給は毎年続いている。しかし、今年のお菓子は石のようにカチコチで食べられたもんじゃない。光明星節を祝おうとしたのに雰囲気は台無しだ」

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「お菓子はトウモロコシの粉が多すぎて餅なのかトウモロコシ菓子なのかわからない。キャンディも水飴の固まりみたいだ。こんなシロモノだったら要らない」

北朝鮮の市場では、韓国製のチョコパイや中国製のお菓子が販売されている。

日常的に食べられなくても、一度外国のお菓子の味を知ってしまった子ども達からすれば、北朝鮮国産のお菓子には満足できないようだ。

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庶民「配給期待してない」政府「だったらあげない」

内部情報筋によると、今年の光明星節には両江道の大紅湍(テホンダン)郡で作った、アルコールを希釈した「アルコール酒」とトゥルチュク(クロマメノキ、ブルーベリーに似た実)の酒が配給されるとの話があったが、結局もらえなかったそうだ。

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常日頃の配給が途絶えているので特別配給がもらえなくても特になんとも思わない、「忠誠の歌の集まり」などに動員されるが、それ以外は通常通りだと、内部情報筋は冷め切っている庶民たちの反応も伝えた。

北朝鮮は1975年から2月16日を祝日にして、金正日氏が50歳になった1992年からは「民族最大の名節」に定めた。死去翌年の2012年からは「光明星節」と命名して特別配給を行い、雰囲気を高め忠誠心を引き出そうとしていた。

しかしここ数年は光明星節にも、故金日成氏の誕生日の太陽節(4月15日)にも、特別配給は行われていない。なぜか。

北朝鮮で高官を務めた脱北者は次のように語った。

「北朝鮮当局は、人々が特別配給に期待していないということをわかっているようだ。子どもには配慮しつつも、一般の大人には『自分たちで解決しろ』という金正恩スタイルが反映されたようだ」

2009年の金正日氏の誕生日に配給されたお菓子セット