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「暴動が起きても不思議じゃない」北朝鮮国民、金正恩氏の指示に抵抗

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北朝鮮の金正恩党委員長は、2015年の新年の辞で「森林の回復戦闘を力強く繰り広げ祖国の山々を緑の森に覆われた黄金山に転換させなければならない」と述べ、「全国樹林化」、つまり個人耕作地を没収し、そこに木を植えるという政策を始めた。

背景には、後述するような失政による国土の荒廃があるが、強引なやり方は住民からの抵抗に遭い、「暴動が起きてもおかしくない」との声も上がっている。かつての北朝鮮では考えられなかったことだ。

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そして植林が遅々として進まない中、北朝鮮当局は、国民が国土の至る所に作った個人耕作地を没収し、木を植える方針を改めて示した。反発の声は今まで以上に強まっている。

両江道(リャンガンド)のある地域のデイリーNK内部情報筋によると、このような方針は最近開催された人民班(町内会)の会議で伝えられた。普段は会議に参加しない住民が多いが、今回ばかりは生活と直接関係した内容であるため、全世帯が参加した。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)の内部情報筋も、最近同様の方針が伝えられ、個人耕作地だったところにカラマツとマツを植える作業が行われていると伝えている。

ことの発端は、1974年に金日成主席が提示した「全国土段々畑化計画」にある。農業生産を増やすことが目的だったが、「単純に耕作地を増やせば、生産量が増える」という生兵法だったため、著しい弊害を生んだ。

行き過ぎた段々畑の造成は、山林の破壊、自然災害(とくに水害)の多発、農業生産の減少、そしてついには1990年代の大飢饉「苦難の行軍」を招いた。国の配給システムが崩壊し、食べ物が窮した人々は、生き残るためにさらに山を切り開き、畑を作った。

このような過度な個人耕作地の造成が国土の荒廃をもたらし、山崩れや洪水の原因となっているのは確かだ。しかし、個人耕作地に頼って暮らしている人が多い状況を無視して土地を没収し、木を植えるとなれば、強い反発が出るのは当たり前のことだ。

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住民の間からは「根本的な問題を解決せずに奪うとはありえない」「配給もくれない上に、自分の力で行きていこうとすることすら踏みにじるのなら、誰がこんな国に残ってやるか」と強い反発の声が上がっている。

個人耕作地の没収を伝える人民班の会議では怒号が飛び交い、「他の国だったら暴動ものだ」と声も聞かれたという。北朝鮮の国民がかげで指導者を嘲笑するのはこれまでにもあったことだが、公の場でこのような発言が漏れるとは驚きである。

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会議に参加した70代女性は「配給がなくても不平不満を口にしなかったのは、自分で畑を耕して自給自足できたからだ、畑を奪うことは命を奪われることに等しい」と不満を述べた。

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あまりに激しい反発に、行政機関は世論をなだめようと苦慮しており、次のようなことをふれ回っているという。

「農業科学院が、狭いところでも充分な収穫が得られる種を開発した。市中で売られているものだ。それさえ植えれば今までより楽に高い生産量が確保できる」

一方で、個人耕作地を没収する方針を変えることはないようだ。植林は金正恩氏の指示であるため、逆らうことは不可能だからだろう。

「畑のあったところに木を植えよ」との指示を受けた人々は、植えるフリだけしたり、すぐに引っこ抜いて畑を作り直したり、畑を隠すように周りにだけ植えたり、放置して枯らせたりなど、様々な形のサボタージュで抵抗している。

個人耕作地で作られた作物は市場にも供給されており、価格の相場に影響を与えるほどになっている。供給が途絶えれば、食糧難にも招きかねない。また、現金収入が減れば、消費が落ち込み、地域経済に深刻なダメージを与えるだろう。

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