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性的搾取の末に「要らなくなったら転売」…北朝鮮女性の悲劇

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北朝鮮外務省の報道官は13日、米国務省が人身売買に関する報告書を発表したことについて、「生意気な『人権裁判官』」のように振舞っていると述べて非難した。

米国務省は先月27日、世界各国の人身売買に関する2017年版の年次報告書を発表。報告書で北朝鮮は、中国、イラン、ロシア、シリアなどとともに4段階の最低ランクに位置づけられた。

報道官はこれを受け、「米国が毎年、『人身売買報告書』なるものをでっち上げて他国に訓戒しているのは、無分別な妄動だと言わざるを得ない」と非難している。

この報告書に対しては、中国やロシアからも非難の声が上がっている。報告書の中で中国は、脱北者を強制送還している事実に懸念が表明され、ロシアは北朝鮮労働者の強制労働を野放しにしていると批判されている。

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ちなみに、日本は昨年に続き上から2番目にランクされた。本来、大人の性的欲求の対象とされる子どもは犠牲者として扱われるべきなのに、日本では「非行少年・少女」として扱われていると言及。外国人技能実習制度が強制労働に悪用されていることを問題視した。

その一方、米国は自身を最高ランクに位置付けている。その妥当性については様々な意見があるとしても、上から目線で「評価」された側から反発が出るのは不思議なことではない。

いずれにしても、報告書における北朝鮮、中国、ロシアに対する評価は妥当なものと言える。とくに人身売買と性的暴力の犠牲になっている脱北女性の境遇を思えば、北朝鮮と中国は、評価ランクを4つから8つぐらいに増やした上で最低ランクにしても足りない気がする。

(参考記事:中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち

注意しなければならないのは、こうした被害は、現地において拡大再生産されている可能性すらあるという事実である。

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英国で脱北難民支援運動を行っている脱北女性のパク・チヒョンさんは最近、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙の取材に対し、売られた脱北女性が「転売」されるケースが頻繁に起きていると証言した。その理由は単に「要らなくなった」というものだ。

パクさん自身も、1998年に中国の農民に5000元(当時のレートで8万円前後)で売られた人身売買の被害者だ。

また、中国人男性と脱北女性との間に生まれた子どもの問題も深刻だ。中国政府は2009年から、これらの子どもに身分証明証を発行するようになったが、無国籍状態で依然として学校に通えず、貧困から抜け出せずにいる。また、母親が逮捕される場面を目撃しトラウマを抱えたり、母親がいなくなって孤児になったりする子どもたちも多い。

(参考記事:「中国人の男は一列に並んだ私たちを選んだ」北朝鮮女性、人身売買被害の証言