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金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は米軍に撃たれる前に「腹が減って」全滅する

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昨年12月24日、北朝鮮の人民武力省(国防省)は、故金正日総書記の最高司令官推戴25周年を迎え、男性の兵役期間を11年から10年に、女性は7年から5年に短縮すると発表した。それでも、世界最長であることには変わりない。

子どもを軍隊に送り出した瞬間から、その身を案じ、顔を見たいと願うのが親心である。しかし兵役期間中の兵士は、特別な場合や、ワイロを積まない限りは帰省できない。つまり、家族に5年~10年間も会えないということだ。

北朝鮮軍の軍紀の乱れを考えれば、親は心配でたまらないだろう。

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強盗殺人も

親が兵役中の子どもに会いに行く(面会と呼ぶ)のは可能だが、北朝鮮特有の事情がそれを許さない。そんな状況から生まれた珍商売について、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

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両江道(リャンガンド)の情報筋によると、軍部隊の駐屯地の近くに住む人々は、兵士の親から手間賃を受け取って、その兵士に面会に行くという商売をしているという。「面会代行」と言ったところだが、市場で物を売るよりもずっと儲かるとのことだ。

なぜ、このような商売が流行るのか。それは北朝鮮が、世界的にも珍しい「移動の自由」のない国だからだ。

北朝鮮においては、一般国民が自由に移動できる範囲は概ね居住する市内(郡内)に限られる。それを越えて国内を移動するには、通行手形のような旅行証が必要になる。さらに、多くの軍部隊が駐屯する中朝国境や軍事境界線沿いは、特別な許可がなければ立ち入りできない。

たとえ旅行証がもらえたとしても、次は交通手段が問題になる。電力難が深刻な北朝鮮では、鉄道の運行がまともに行われておらず、目的地へ着くまでに信じられないほど長くかかる。速く移動したいなら民営バスやソビ車(個人運送業)を利用するしかないが、運賃は鉄道より高い。

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子どもに会いに行くには数週間かかることになるが、職場を長期欠勤するにはそれなりのワイロが必要になる。子どもに会いに行っている間は、重要な収入源である市場での商売もできなくなるため、収入が減ってしまう。このように経済的負担が大きすぎるのだ。こんな費用を払う余裕のある家庭であれば、ハナからワイロを積んで子供の兵役逃れを図るだろう。

貧富の格差が拡大する一方の北朝鮮では、軍務は貧困層に押し付けられる「不利益」となっているのだ。

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そこで「面会代行」に子どもの様子を見てきてもらうというわけだ。別の情報筋によると、面会代行にやって来た人は親戚を名乗るが、軍の幹部はウソだと知りつつも許可する。親からの食べ物の付け届けが期待できるからだ。

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つまり、面会代行が流行るのは、食糧事情が好転した北朝鮮社会から軍だけが取り残され、食糧難に陥っているという状況が背景にあるわけだ。末端の兵士らは親からの援助がなければ、餓死しかねないのである。

国は、協同農場の収穫を、兵士への食料配給に当てる。しかし農民たちは、協同農場よりも頑張った分だけ収入が得られる個人耕作地の方に力を注ぐため、協同農場の収穫は芳しいとはいえない。

それすらも、輸送過程で横流しされて兵士のもとに届く頃には量が目減りしている。減った量の埋め合わせのために、コメを売ってトウモロコシやジャガイモを買うことも多い。貧弱な食事しか与えられない兵士たちは栄養失調に陥っている。こんなことでは、米韓と戦争になったら撃たれて死ぬより先に、腹が減って全滅である。

民間人なら商売で現金を稼ぎ、市場でいくらでも食べ物が買えるが、規律に縛られた兵士はそうもいかない。空腹に耐えかねて脱走したり、国境を越えて中国に忍び込み、強盗殺人を犯す者すらいるのである。

(参考記事:ICBM成功でも金正恩氏の「ポンコツ軍隊」はすごく弱い