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金正恩氏「トランプ口撃」の裏に隠された「トイレの恨み」

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北朝鮮の金正恩党委員長が、米国を激しく挑発している。過激な言動で知られる米国のトランプ大統領に対して、金正恩氏は核やミサイルなどの武力による威嚇のみならず、言葉による挑発、いわば「口撃」をもしかけている。

ミサイルは「プレゼント」

北朝鮮は4日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」型を発射し、成功だったと大々的に発表した。本日(5日)付の労働新聞によると、金正恩氏はミサイル発射の現場に立ち会い、自ら発射命令を下したという。ICBMの発射に立ち会った金正恩氏は「われわれの戦略的選択を見つめていた米国が非常に不快であっただろう」と述べながら、次のように強調した。

「『独立節』にわれわれから受ける『贈物包み』があまり気に入らないものと思えるが、これからも退屈しないように大小の『贈物包み』をしばしば送ってやろう」

(参考記事:金正恩氏「米国へ大小の『贈物包み』を送ってやろう」…ICBM試射を現地指導

7月4日は米国の独立記念日であり、いわば国家の誕生日である。金正恩氏は、「米国に届くミサイルがわれわれの誕生プレゼントだ」と言っているわけだ。米国とトランプ氏にとっては強烈な皮肉以外のなにものでもない。

普通のトイレは無理

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体制の存続をかけて核・ミサイルの開発を継続する金正恩氏が、ここまで米国を挑発する裏には、特別な理由があるように思える。

米韓軍は2015年秋から、北朝鮮の首脳部、すなわち金正恩氏に対する先制攻撃を意味する「斬首作戦」の導入を公言してきた。斬首作戦とは、「南北の緊張が激化して衝突の可能性が高まった際、北朝鮮が全面戦争を決断する前に、先制攻撃で意思決定機関を除去してしまおう」という考え方だ。作戦が企画されているということが明らかになっただけで、金正恩氏は大きなプレッシャーを受けたようだ。

実際、これ以後、金正恩氏の公開活動は激減する。自らが暗殺されるかもしれないという恐怖心もあっただろう。さらに、金正恩氏は普通のトイレを使うわけにいかないため、地方視察の際にはたいへんな苦労をともなうのだが、米韓からの「斬首作戦」の脅しは、こうした苦労を倍加させたに違いない。

(参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳

一方、金正恩氏は「われわれが選択した核戦力強化の道からたった一寸も退かない」と主張している。

(参考記事:ICBMに続き金正恩氏が食指を伸ばす「危険なオモチャ」とは

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金正恩氏の激しい口撃は、この間、自分に不自由を強いてきた米国に対する怨念を爆発させているかのようだ。さらに相手のトランプ氏は、SNSを通じた常識破りな言動で支持(不支持も)を拡大させてきた人物である。金正恩氏にしてみれば口撃の相手にとって不足なしと言ったところだろうか。

トランプ氏は、先のツイートにつづけて「韓国と日本はもはや我慢ならないだろう」としながら、中国に対して、「おそらく北朝鮮にもっと強い行動に出て、このくだらないことをきっぱりと終わらせるだろう」とけん制した。まるで他人事のようでもあるが、トランプ氏も金正恩氏の挑発に対して内心穏やかではないだろう。

止まることを知らない金正恩氏の暴走に対してトランプ氏の堪忍袋の緒が切れる時は来るのだろうか。米朝対立がより深刻なゾーンに突入しつつある中、金正恩氏とトランプ氏の口撃合戦がより激化すれば、それがきっかけとなって不測の事態に発展することもあり得なくはないのだ。

(参考記事:「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民のキツい本音