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「薬物中毒・性びん乱」対策か…北朝鮮で首都住民の強制移住計画

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韓国紙・中央日報は11日、北朝鮮情報筋の話として、北朝鮮当局が首都・平壌市民のうち60万人余りを他の地域に移住させる計画を進めていると報じた。

情報筋によれば「平壌の人口約260万人のうち、60万人余りを市の境界の外側の平安南道(ピョンアンナムド)など他の地域に移らせるもので、事実上の強制移住計画」だという。

情報筋はまた、計画は金正恩党委員長の指示を受けたもので、国家保衛省と人民保安省が選定作業を進めているとしている。

強制移住の対象となるのは、◆脱北者や行方不明者の家族◆政治犯収容所の収監者の親戚◆違法薬物および偽造紙幣に関わった犯罪者◆韓流ドラマのDVDの製造・密売など体制の安定を脅かす犯罪に関わった犯罪者――であるという。

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こうした情報には、疑問点もある。北朝鮮では、覚せい剤などの違法薬物や、韓流ドラマのDVDを製造・密売する行為は重罪であり、平壌から強制移住させられる以前に、教化所(刑務所)や管理所(政治犯収容所)送りになるのが普通だからだ。

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もっとも、金正恩体制が本格始動した2012年にも、韓流ドラマを見た人々や体制への不満を述べた人々を対象に、平壌からの追放措置が取られたとの情報もある。正恩氏が権力継承から5年となる今年、第2弾となる追放措置を実行したとしても、それ自体は不思議なことではない。

それでも、60万人という規模の大きさには驚かされる。

中央日報は、金正恩氏が執権以来、未来科学者通りなどの「ニュータウン」建設に夢中になって来たことから、強制移住はそうした平壌再開発の一環として行われるもようだとする識者の見方を伝えている。

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しかしそのために、これほど大規模な移住が必要なのだろうか。もしかしたら、何らかの治安上の理由が、裏に隠されているということはないだろうか。

正恩氏は、違法薬物の乱用と韓流ドラマの拡散を押しとどめるべく、秘密警察などを動員して様々な努力を重ねてきたが、ほとんど成果は出ていないように見える。

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すでに地方都市では、中高生までが覚せい剤でキメた上での「性びん乱」に走るなど、社会の退廃に歯止めがかからない状況となっている。

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こうした問題を放置すれば、退廃の波が平壌にまで及び、収拾がつかない事態ともなりかねない。

そうした現状にしびれを切らした正恩氏が、少しでも怪しい住民を片っ端から追放し、「革命の首都」の浄化を図ろうとしている――強制移住の裏にそのような事情がある可能性も、ゼロとは言えまい。

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