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「金正恩はどうせ口だけ」 米国との“対決騒ぎ”にシラケる北朝鮮国民

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北朝鮮当局は、国連安全保障理事会での制裁決議2371号の採択を受けて、国民に核兵器開発や米国との対決を支持する各種集会を開催させながら、国内の統制を強めつつある。しかし、いくら当局が危機感を煽っても、北朝鮮の人々の反応は鈍い。

慈江道(チャガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、人民班(町内会)の会議で、「山に出かけている者は全員帰宅せよ、これといった職業もないのに資本主義(商売)のためにほっつき歩いている者に対してはより強力に処罰する」との当局の方針が伝えられた。

どういう意味かというと、北朝鮮では国から割り当てられた職場(工場、企業所、機関)に属していなかったり、または長期間無断欠勤したりすることは、行政処罰法90条で違法行為と定められている。だから、職場から離脱して商売に専念する者は取り締まるということなのだ。

しかし、北朝鮮の職場は人々が食べていけるだけの給料を出さない。だからこそ、人々は市場に依存して生きているのだ。そうした現実を考えると、上記の指示は実にバカバカしいものだが、北朝鮮当局は外に敵を設定して危機を煽り、内部の結束を高めようとするときに、このような統制をよく利用する。

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ところが、商売のために出かけていたところで至急帰宅するようにとの当局の指示を伝えられたある男性は、「戦争が起きたらどこにいても同じなのに、なぜ大騒ぎしているのか」と意に介さない様子だったという。

また、「当局はこういう騒ぎでも起こさなければ、国民がだらけると思ってのことではないか」、「戦争を起こせばタダでは済まないだろうに、戦争なんかやるわけがない」と、当局の本気度に疑いの目を向けている。

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米国との対決をうたう金正恩党委員長らの言葉が「どうせ口だけ」と疑われるのは、これまでにも同様のことを何回も繰り返してきたことに加えて「聖戦」「撃滅」などといった勇ましいスローガンを繰り返している割に、戦争の準備を行っている様子が一向にうかがえないこともある。

北朝鮮の地雷が韓国軍兵士を吹き飛ばしたことをきっかけに、南北の軍事的緊張が高まっていた2015年8月、金正恩党委員長は準戦時状態を宣言し、戦争の準備に入った。しかし、今回はそのような宣言も、戦時体制の動員も行われていない。

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情報筋は「警戒態勢も敷かれていなければ、(米韓)合同軍事演習に対抗するための反航空(防空)訓練も行われていない。やっていることと言えば、人々を集会に動員して写真を撮ることだけなのに、『総攻勢に出る』などという当局の言葉を誰が信じるものか」と説明した。

(参考記事:「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民のキツい本音 )