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「性上納・飢餓」以外にもある金正恩氏「ポンコツ軍隊」のブラックな実態

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韓国軍のブラックな実態が問題になっている。将軍夫婦が私邸に配属された兵士たちに、炊事、洗濯、アイロンがけ、庭仕事、便所掃除などをさせた上に、外出もほとんど許さず、奴隷のように扱っていたことが発覚。事件を受けて軍の検察団が捜査に乗り出し、文在寅大統領が「極めて遺憾」「これを機にカプチル(ブラック)文化を根絶すべき」と発言する事態となった。

一方、韓国軍と対峙する朝鮮人民軍(北朝鮮軍)では、韓国軍以上のブラックな行為がはびこっている。象徴的なのが、上官が権力にものを言わせ、女性兵士に「性上納」を強要するケースだ。

(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

500人死亡の地獄絵図

さらに、兵士にアルバイトを強要して賃金を搾取するブラック上官までいると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

RFAの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、搾取の舞台となっているのは、両江道(リャンガンド)延社(ヨンサ)郡の蘆坪里(ロピョンリ)に駐屯する国境警備隊だ。

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部隊の政治指導員は、同郡内にある延社邑の人民委員会(町役場)の大学登録課長から「納屋を建てる人員を派遣してほしい」と依頼され、賃金として600元(約9900円)を受け取った。

北朝鮮の民家の庭先には、キムチ、ジャガイモ、薪を保管する納屋があるのが一般的だ。最近は泥棒が多いため頑丈にしたうえで、目が届くように家にくっつけて納屋を建てることが多い。このときの依頼内容もそれだった。

政治指導員の命令で、3人の兵士が現場に向かい、納屋を建てる工事を行っていた。ところが今月11日、屋根が突然崩落し、1人が死亡、2人が重傷を負った。情報筋は触れていないが、任務外での事故でもあり、亡くなったり怪我をした彼らに、適切なケアや補償がなされたとは考えにくい。

過去にも、橋梁の建設現場で500人が一度に死亡する地獄絵図のような大惨事が起きたことがあった。しかし、北朝鮮当局は事故の存在そのものを隠蔽し、詳細は一切明らかにされなかった。

(参考記事:北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

月給は冷麺一杯分

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大学登録課長が兵士を労働者として使ったのは、市場にいる労働者より賃金が安いからだ。市場で労働者を雇うと、700元(約1万1500円)はかかるという。

兵士を労働者として斡旋する、いわば「手配師」の類いのビジネスは、上官にとってオイシい話だ。賃金をまるまる横取りできるからだ。一方、搾取されている兵士たちは、タダ働きをさせられているにもかかわらず、まんざらでもない様子だという。部隊ではまともな食べ物にありつけないが、外で仕事をすれば雇い主からそれなりの食事を提供してもらえるからだ。

兵士にとっては救いかも知れないが、そもそも軍隊が食糧難に陥る原因の一つに、上官が兵士向けの食料を横流しして私腹を肥やしていることがある。つまり、上官は収奪と搾取を同時に行っているのだ。

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韓国国防省が発表した2014年国防統計年報によると、朝鮮人民軍の末端兵士の月給はたったの700北朝鮮ウォン(約9円)。市場で売られている小さい器に入った子ども用の冷麺1杯分にしかならない。

(参考記事:兵士の月給はたった9円…金正恩氏の「腹ペコ軍隊」は餓死寸前

勇ましい言葉で米国を威嚇する北朝鮮軍だが、兵士がこのような「出稼ぎ」に出ている状況では、戦争の準備などおぼつかないだろう。