北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

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ちなみに日本の学校衛生統計によると、寄生虫卵感染率は1947年の70.92%から、1962年には10%以下になっている。

寄生虫感染率が急激に低下したのは、下水道設備の整備、衛生教育の徹底、洗剤の普及に加えて、化学肥料の普及により下肥、つまり人糞を発酵させた肥料を使わなくなったことが大きい。

尿素が多く含まれる下肥は、中国やギリシャでは紀元前から使われていたという記録がある。集めた糞尿を夏は1〜2週間、冬は3〜4週間発酵させて使うが、これが不完全だと様々な菌や寄生虫が残ったままで作物に使われ、人体に取り込まれる。化学肥料の発達や疾病予防運動で、メリットよりデメリットが大きくなった下肥は急速に消えていった。

ところが、未だに下肥が大々的に使われている国がある。手術を受けた兵士の祖国、北朝鮮だ。