第1に、軍人家族の「気持ち」の問題がある。北朝鮮とトランプ大統領の間で、「核先制攻撃」だの「完全に破壊」するだの物騒な舌戦が展開される中、韓国に在住する家族はもちろん、米国本国に残っている家族・近親者たちの気持ちが平穏なはずはない。そうした人々から、「早く帰して」との要望が出ていたとしてもおかしくはなかろう。
第2に、北朝鮮に対する威嚇効果の問題がある。韓国には米軍人の家族が約3万人もいる。その存在は、「米軍が家族も避難させず軍事行動に出るはずはない」として、実力行使をちらつかせるトランプ氏の「本気度」を疑わせる要素となってきた。
そして最後に、家族の帰国は北朝鮮に対する「心理戦」として行われる可能性がある。