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若い女性から「結婚拒否」され弱体化する金正恩氏のポンコツ軍隊

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北朝鮮当局が若い女性を対象に、「軍人を無視しないように」とする内容の宣伝事業に力を入れているという。背景には、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の深刻な「結婚飢餓」問題がある。

核兵器開発やミサイル発射による「強硬」なイメージとは裏腹に、北朝鮮軍は一部のエリート部隊を除き、弱体化が進んでいる。その原因は、主に2つある。ひとつは、女性兵士に対する「性上納」の強要や物資横流しなどの軍紀びん乱。そしてもうひとつが、兵力不足だ。

(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

兵力不足は少子化の影響が大きいと思われるが、同時に、規律がメチャクチャで食料も満足に供給されず、栄養失調で死にかねない軍隊に我が子を送るまいと、親たちがあの手この手で兵役忌避を行っていることも原因のひとつとなっている。

(参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

これに加え、「軍隊に行ったら結婚できない」となれば、兵力不足はいっそう深刻化するかもしれない。

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、両江道(リャンガンド)在住の情報筋の話として、次のように伝えている。

「たとえば、道内の甲山(カプサン)郡に駐屯している第43山岳軽歩兵狙撃旅団(別名682軍部隊)は、婚期を逃した軍人が多いことで知られている。とくに小隊長などの下級指揮官や、兵役期限のない技術兵らは深刻だ。というのも、この地域は鉄道も通っていない辺ぴな所で、嫁に来た女性らは裏庭の畑をたがやすことぐらいしかすることがない。移動手段もなく、山間僻地に閉じ込められてしまう。

これは、この部隊に限ったことではない。とくに特殊部隊は、秘密維持のため僻地に置かれることが多く、従って嫁のなり手もいない。平壌は相当、この問題を重大視しているようだ」

また、慈江道(チャガンド)の情報筋によれば、北朝鮮当局は9月初め、軍の下級指揮官や技術兵の新婚家庭には地元の企業所や協同農場が住居と家具類を提供するよう、指示を下した。

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ところが、「肝心の女性らはこうした指示を鼻で笑っている」(情報筋)という。

なぜなら北朝鮮の庶民社会においては、男性よりも女性の方が生活力があるからだ。男性は、たとえ給料が出ずとも正規の職場に毎日出勤するよう義務付けられているが、そうした縛りのゆるい女性たちは、市場で商売をして稼ぐことができる。そのため女性らの中には、「どうして自ら進んで、男を養う義務を背負う必要があるのか」として、結婚それ自体を敬遠する風潮が広がっているのだ。

(参考記事:「死の復讐」に怯える北朝鮮のバツイチ男性