米国務省は今年3月に発表した国際麻薬統制戦略報告書(INCSR2015)の中で、北朝鮮における覚せい剤や麻薬類の拡散の実態について指摘している。
北朝鮮国内において近年、薬物類の使用が急速に拡散していることはよく知られている。
医薬品の代わり
米国務省の報告書によれば、最も広く使われているのがメタンフェタミン、つまり覚せい剤だ。薬物使用の危険性に関する教育が行われておらず、医薬品が不足しているため、その代用として覚せい剤を使用する人も多いという。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真デイリーNKも複数の脱北者から、北朝鮮では病気になると医薬品の代わりに覚せい剤を使用したり、急にお金が必要になると市場で手持ちの覚せい剤を売って現金化したりするとの証言を得ている。
その一方、朝鮮労働党の幹部や富裕層の間では、「ダイエット目的」で覚せい剤を使用する女性が急増しているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。
「スリムな妻」求め
1980年代、日本の女性の間で覚せい剤の濫用者が急増した。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真が、その理由は多くの場合「痩せられるから」、つまりダイエット目的だった。それとまったく同様の現象が、北朝鮮でも起こっているようだ。
覚せい剤の所持及び使用は、北朝鮮でも違法だが、長年広く使われてきたためやはり抵抗感が薄い。
高額なフィットネス
また、スリム・ボディの妻を連れ歩きたいと思う夫も、覚せい剤の使用をさほど強くは諫めないという。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真平壌に住む富裕層の女性らは、一般労働者の賃金の25倍の料金を払ってフィットネス通いをしているとされる。
国民経済の資本主義化が進むに従い、こうした「美」への欲求が強まるのは自然なことなのかも知れないが、覚せい剤の拡散がいずれ北朝鮮社会に深刻な腐食をもたらすのではと心配でならない。