4年前に権勢を振るっていた張氏を引きずり下ろした2人が、今度は「やられて」しまったことになる。2人にどのような処分が下されたのか、具体的なことはわからない。ただ金氏の立場は、非常に危ういと筆者は見ている。
張氏は処刑されるに当たり、罪状のひとつとして、2009年に失敗した貨幣改革(デノミネーション)の責任を押しつけられた。このデノミ失敗では多くの国民が財産を失っており、国家に対する恨みの種となっていた。張氏が処刑されて以降、一部の平壌市民の間では「張成沢が貨幣改革で北朝鮮経済を悪化させた」との話が出回っていると聞く。張氏をスケープゴート(生贄)にしたプロパガンダが、まんまと成功しているのだ。