しかし、こうした醜聞の主は、崔氏ひとりではない。韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使の近著『3階書記室の暗号 太永浩の証言』(原題)によれば、2013年12月に金正恩氏の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長が処刑された際、いっしょに粛清された幹部について、次のような情報が出回ったという。
「労力英雄の称号を受けたオボンサン管理所の所長も拘禁された。張成沢が遊び相手にしていて殺してしまった女性たちを、焼いてしまったという嫌疑のためだった」
オボンサン管理所は、火葬場や共同墓地を管理する組織だ。張成沢氏に死刑を言い渡した特別軍事法廷の判決は、同氏が数多くの女性と不倫関係にあり、麻薬を服用していたと指摘していた。「殺してしまった女性たち」というのは、薬物の過剰摂取か何かで死んでしまった女性たちがいたということだろうか。
(参考記事:「エリート女学校長は少女達を性の玩具として差し出した」北朝鮮幹部が証言)