同じ金川郡では1989年4月、高速道路の建設現場で橋が崩落し、現場で働いていた兵士500人が120メートル下の川原に落下する大事故が起きている。川原には原形をとどめない死体が散乱し、救助の看護師たちが気を失うほどの地獄絵図と化したという。
(参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図)このような事故が多発する原因として、北朝鮮特有の「速度戦」と呼ばれる突貫工事がある。
太陽節(金日成氏の誕生日=4月15日)や光明星節(金正日氏の誕生日=2月16日)において成果として示すため、当日に間に合うよう、無茶苦茶なスケジュールで工事を行うのだ。その結果、手抜き工事が多発しており、鉄道や橋梁、建物の崩壊などといった大惨事が後を絶たない。