韓国のKBSは7日、アシアナ航空のキャビンアテンダント(乗務員)研修生たちが、同社を所有する錦湖アシアナグループの朴三求(パク・サムグ)会長をもてなすため、セクハラに近いイベント参加を強要されていたと報道。その場面を収めた映像を入手して放映した。韓国メディアは、まるで北朝鮮の「喜び組」のようだと報じた。(【動画】韓国版「喜び組」との声も…アシアナ研修生たちの会長接待)
映像には、アシアナ航空のユニフォームを着た女性30名ほどが団体で、「会長にお会いする日、しきりにときめく心に眠れませんでした」「真っ赤なバラくらい会長を愛してる、胸が弾けそうなこの心を知っていますか」などと歌う様子が収められている。
匿名でKBSの取材に応じた乗務員によれば、こうしたイベントは1カ月に1回行われ、上司から「会長と抱擁しろ」「手をしっかり握れ」「涙を見せろ」などの指示が出されたという。
これに先立ち、韓国警察は5月6日、大韓航空を傘下に置く有力財閥、韓進(ハンジン)グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長の妻、李明姫(イ・ミョンヒ)氏を暴行と業務妨害の疑いで立件したと明らかにした。韓国メディアは4月、工事現場で関係者を小突いたり書類をばらまいたりする人物の動画を公開し、李氏とみられると報道。警察が事実関係を調べていた。(参考記事:【動画】「ブチ切れ乱暴狼藉」の韓国財閥夫人、警察沙汰に)
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李氏は、「ナッツ姫」こと長女のチョ・ヒョナ氏、そして「水かけ姫」こと次女チョ・ヒョンミン氏の母だ。
動画が撮影されたのは、グループ内のホテル建設現場だとされる。李氏とみられる女性は、女性スタッフの腕をつかんで引きずり回し、さらには逃げる彼女を追い掛けようとするのを男性作業員が必死にとどめた。すると怒りが収まらないのか、揚げ句の果てには作業員が持つ大量の書類を床にぶちまけた。
このように告発が相次ぐ背景には、財閥オーナー一族による企業の私物化と、グループ内では誰からも制約を受けない彼らのパワーの暴走がある。そして、告発により恥部を暴かれ、権威が失墜していく様は、「喜び組」を暴露された北朝鮮の金正日政権と似ている。(参考記事:【動画アリ】ビキニを着て踊る喜び組、庶民は想像もできません)
金正恩党委員長が、父親が残したこの「負の遺産」を清算するのはきわめて難しい。いずれ、こうした恥部に対して芽生えた国民の反感が体制を蝕み、大きな変化につながる可能性もないとは言えない。(参考記事:「喜び組」を暴露され激怒 「身内殺し」に手を染めた北朝鮮の独裁者)